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春秋   石川洋志

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015-10-29 9:41 | 最終変更
nbg-toukou  長老   投稿数: 296
          春秋
                     作   石川洋志

 春秋を辞書で調べた。
1、春と秋
2、年月
3、年齢
4、歴史書
5、1ヶ年(まだ歳が若く、先が長い)
6、五経の一つで孔子が筆を加えたもので、遠慮せず加える厳正な批評。

 春秋にこれだけ多くの意味があることを、見過ごしていた。新聞のコラム欄にも春秋と題したものがあった。
 春と秋は文学の主流をなす題材である。それを代表する季語は、霞(かすみ)と霧である。微細な水滴が大気中を浮遊し視界をさえぎる自然現象で春は霞、秋は霧と呼ばれる。

 子供の頃小学校で歌った『朧(おぼろ)月夜』は、春を代表する歌だった。
        朧月夜
                      作詞 高野辰之
       菜の花畠に入り日薄れ
       見わたす山の端霞深し
       春風そよふく空を見れば
       夕月かかりてにおひ淡し

 都会にいると春の霞など見ることはない。
子供の頃、田舎では早朝山や森に霞がかかっている景色をよく見た。かつて、友人が「どうして霞ヶ関って言うかわかるか?」と言った。
分からないと答えると、東京はスモッグで霞む、スモッグじゃ情緒がないから頭の回転のよい官僚が霞ヶ関って名づけたと、ジョークを言った。
 今、情緒ある霞を見るには、田舎に旅して、朝のきれいな空気を吸わないと霞には出会わない。

 一方、霧は小説、映画、人々の心のスクリーンに哀愁を帯びて映る。タイタニック号の遭難も、霧で視界が狭くなり氷山に衝突して悲劇が生じた。青春時代に日活映画『霧笛が俺を呼んでいる』を見た。主演の赤木圭一郎が霧に煙る港を歩く姿はかっこよかった。この後、彼は交通事故で若くして亡くなった。秋の霧は哀愁を帯びる季節の音色を奏でる。

 今、時代は春秋を必要としているー遠慮せず邪悪に厳正な批判を加えてほしいものだ。

推奨数:1 平均点:10.00

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