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心の故郷求め葛飾柴又へ    桐山健一

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2010-3-4 10:06 | 最終変更
y.hirukawa  長老   投稿数: 947 オンライン
 心の故郷求め葛飾柴又へ
        作家桐山健一 64歳(横浜市青葉区)

 心の故郷がなくなった僕は、葛飾柴又へ旅をした。梅雨空の下、汗が出る。柴又駅を降りると、自分が寅さんになったような気持ちで、駅の風景を見る。まるで故郷の道を歩くようにだんご屋、そば屋、あめ屋、せんべい屋、げた屋と並ぶ両端の店を懐かしく見る。
 「おーい、さくら」と寅さんが呼んでいる声が心に響く。柴又帝釈天題経寺に着く。多くの観光客が境内に群がる。今にも、お寺から御前様が顔を出すのを待っている寅さんの気持ちになる。境内のわき水を口に含む。冷たい水がおいしい。
 今、僕がここに生きている確かな気持ちを感じる。まだ下町の余韻が残る柴又の小道を歩き「寅さん記念館」に来る。中に入ると、寅さんの青春が詰まっている。スローライフの寅さんは、新幹線や飛行機が苦手だったという。
 僕の貧しかった青春に寅さんの青春があった。江戸川河川敷に出る。土手に青々ともえる草むらに座る。僕は聞いた。寅さんは土手に寝転がり、妹さくらにしんみり話す。「おれ、あんな雲になりたいんだよ」

      著作権は桐山健一氏のものです。
推奨数:15 平均点:10.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010-3-18 7:48
m-hanami  モデレータ   投稿数: 373
 私は葛飾金町に住んでいたことがあり、柴又帝釈天には馴染みがあります。川甚などのうなぎもよく食べました。
 事務所の近くに松竹の本社があり、正月には山田洋二監督や賠償さん、渥美さんら寅さん一家とスタッフ、関係者に紛れ込んで築地から観光バスで映画のヒット祈願で柴又詣でをしたものです。もちろん、お土産は柴又だんごです。映画でトラやになるダンゴ屋の並びの門前という占い喫茶店の経営者は昔の仲間です。柴又はひところの私にとっても懐かしく縁の深い土地でした。
 ところで、桐山さんの一文を読ませて頂き、とてもいい気分になりました。正直な心とみずみずしい感性に加えて書きなれた文章に無駄がないことが、読むものを快くさせてくれます。秀作です。
推奨数:12 平均点:10.00

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