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エッセイ

清流

作 桐山健一

 “チッチ チッチ チッチ”
白いカーテンに光の小人が舞っている。窓枠に張られた【清流】に光が踊りキラキラ輝く。僕は目を開ける。力強く撥ねられたサンズイ編、流れるような伸び伸び引き延ばした線。金箔が貼られた【清流】の半紙は介護している94歳の母の姿とは重ならない。母がデイサービスで書いて施設の掲示板で掲載された書である。母はその習字を返してもらうと我が家の壁といわず窓枠といわず手当たり次第ベタベタ貼って、その字を見ては自分で講評している。
 僕はこの清流を眺めていて、昨年旅した養老渓谷の清流を想っていた。晩秋の静かな清い流れを見つめていて心に泉のような詩(ことば)が湧いていた。

清流のシンフォニー

赤い葉を
透明な水に写し
清流
せせらぎの詩(ことば)で語る

小鳥とせせらぎの調べは
静寂な大気に響く

淡い光は
水の心を
紅葉の森で
いのちの泉に透視する

旅人
いのちの燃え尽きる
晩秋の森で
移ろいゆくひとときを
清流のシンフォニーに
心をあずける

 僕は朝の重い空気の中でひと時清々しい清流の渓谷を見ている気持ちになった。

                   2012.3.7


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